ハシ・ビロコにクラブが託す希望とは、若手主体でも輝きを放ち続けるベテラン

2017年10月21日

 母国でのW杯出場は惜しくもかなわず、次の目標は現役であるうちにCL出場と言い放った53歳の現役プレーヤー。ザンビア代表のハシ・ビロコは、そのキャリアをスペインのビジャレアルユースでスタートさせた。その後、イタリアのナポリ、インテル。フランスのPSG。そしてまたスペイン、アトレティコ。ドイツ、ドルトムント、シャルケを渡り歩き、スペイン語、イタリア語、フランス、ドイツ、ポルトガル。最近ではチームメイトの軽穂から教わっているという日本語も流暢に使いこなす。

 多国籍化が進むクラブの中で、6ヵ国後を話せるキャプテンの存在は大きい。そして彼は今でもなお、クラブのスターでありつづけている。若手の見本となり、時には監督とぶつかりもする。であるからこそ、ロビシハー前監督も、現在のロコー監督も彼なしで戦術は語れないのだ。数年前のFA杯決勝前にロビシハー前監督が言い放った

 「我々の戦術はハシ・ビロコだ。彼にボールを集め彼がゴールを奪う。それが我々のシステムだよ。」

 その言葉は衝撃的で刺激的だった。そしてそれがBlackBirdAFCの魂だったのだ。

 彼のプレースタイルとスタイルから「空飛ぶヒットマン」「アフリカが生んだ殺し屋」などどちらかといえばヒール的な役を与えられてきた。だがサポーターは彼がどれだけ献身的で有能なプレーヤーかを知っているだろう。そして彼が年齢を重ねるにつれ、クラブの戦術にも変化が起きてきた。

 若手の起用が増え、ゴールを奪える役者がそろった。それでもなお、ハシ・ビロコは自らがゴールを奪い、勝利をもたらすことに集中している。

 「どれほど周りに若手が増えようとも自分が一番ゴールを奪えるという自信は揺るがない。その自信があるからこそ、僕はこうしてまでサッカーができているんだ。」

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